風力発電と景観の問題

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 これは先日、県営林道経ヶ峰線に偵察?探索?に行った時に撮った写真です。布引山系に林立する風車群。私には「異様」な光景に思えます。これを「いいなぁ」と思う人もいるようですが…。
 さて、先日、こんな記事を見つけました。白水社の雑誌「ふらんす」に掲載されたものです。

 このエッセイの中の「 電力を必要としているのは地域住人ではなく、都市部の住人ではないか。他人のために、田舎に住む者が、唯一享受できる自然の美しさを失いたくない」という一節に目が行きました。まず、「景観」というものの価値をとても重要視しているということ。「景観」はともすると軽視されがちです。しかし、都市部の人たちが田舎に来てまず感動するのは「景観」ではないでしょうか。その「景観」を守りたいという思いはとても重要です。
 また、電力を必要とする都市部ではなく、その負担が田舎に押し付けられていることを指摘していることも興味深いです。原発もそうですが、電力を必要とする都市部から遠く離れた福島に原発が集中し、そしてあの事故が起きました。福島の人は、自分たちが使う電力ではないのに、被害や負担を押し付けられたのです。最近、読んだ本の中に、東日本大震災から2年経った時に行われた被災地の住民の方への「今、何を日本国民に求めるか」というアンケートに、「私たちのことを忘れないでほしい」という回答が多かった。たった2年で…。という趣旨のことが書かれていました。遠く離れていると、大切なことが見えなくなってしまいます。
 三重県に立っている風車の数は全国5位。三重県より多いのは北海道や東北、鹿児島…。原発と同じように、都市部から遠く離れたところに建てられています。原発と同じ構造が、ここにも見られると思いませんか?
 自然エネルギーは大切です。でも、私たち田舎に住む者が享受している景観を過度に犠牲にして成り立っている「エコロジー」っておかしくないですか?