個人的に思うこと

 これは個人的に思っていることで、会の方針や考えではありません。個人的なことを会のブログに書くのはあかんやろ…と思いつつ、皆さんにも考えてほしいので「問題提起」として読んでください。
 
 今回、経ヶ峰山域への風力発電所建設計画に反対する署名活動などに取り組んできて、これは「まちづくり」の問題だと考えるようになりました。
 個人的には年に70~80回ほど経ヶ峰に登っていたので、経ヶ峰という山が好き!守りたい!という思いで反対運動に取り組み始めました。経ヶ峰やその山域の歴史や文化というのにも興味がありました。でも、いろんな方に出会い話を聞いていると、みなさんいろいろな思いで署名をしてくださっていることに気づかされました。そういう私たち市民一人一人の思いを聞いてもらえる機会がないまま、風力発電所の建設計画が進められていることが一番の問題なのではないでしょうか。たまたま私がこの計画について知って、住民説明会のチラシを入れましたが、それをしなかったら、ふと気づいたら経ヶ峰の山頂に風車が建っていた…ということになっていたかもしれないのです。民間の事業者がすることだからといって、こんなことが許されてしまう今の制度っておかしいですよね。

 風車を建てる所の地権者の方は賛成をしていると聞きます。「なぜ賛成なの?」って思う方もいらっしゃるでしょう。同じように山の麓に住む者としては、その気持ちもわかるんです。「風力発電」に賛成というわけではないと思います。その背景には山村の高齢化と、それにともなう山林の荒廃。手を入れてもお金がかかるばかりで、お金を生み出さない。そういう山林の実態があります。
 一方、自然エネルギーは大切だという考えから風力発電に賛成という方もいます。三重県は全国5位の風車があり、自然エネルギーに十分貢献していますから「経ヶ峰にはいらない!」と言っても、なんら罰は当たらないと思うのですが…。
 できればそういうみなさんの思いがぶつかり合うことなく、うまい着地点が見つけられないかと私は考えています。そこで今、私が注目しているのが「木質バイオマス」発電です。詳しいことはここでは省きますが、自然エネルギーであり、その資源として木を利用することから森林整備も進められます。行政もしくは企業が住民から委託を受けて森林整備を行い、それをもとに発電を行っていくわけです。もちろんメリット・デメリットもあるでしょう。でも、今の山林を巡る現状への一つのアプローチであると思います。
 三重県では以前から「森と緑の県民税」を徴収していますし、今度は「森林環境税」も徴収されます。それを有効に利用していけないでしょうか。
 私はエネルギーも「地産地消」であるべきだと考えています。大型風車のように大規模なものほど「効率」が良く、「儲かる」のかもしれません。しかし、それでは大規模な自然破壊を伴います。そして一部の地域に「痛み」を押し付けることになります。自分たちの使うエネルギーを、自分たちのエリアの特性を生かした方法で、少しずつ負担を分かち合いながら作り出していくべきではないかな…と思います。
 今回の風力発電所建設反対の取り組みは、自分たちの地域を未来に向けてどう作っていくか…、それを考えるきっかけとなりました。そういう意味でも「まちづくり」の問題だと思うのです。行政や議会の議員さんこそ、そういう視点で考えて、議論し、行動してほしいです。

 みなさんも、一度考えてみてください。