6月6日住民説明会での質問⑤

 最後に、私は次のような質問をしました。

 

 津市長意見では「ニホンジカ、イノシシ、ニホンザル等の行動圏及び動向を踏まえた調査を行い、工事中及び供用開始後の集落等への影響についても調査、予測及び評価をすること」と書かれているが、「準備書」にはこれについての記載がない。調査したのか。調査しなかったのであれば、それはなぜか。

 

 これに対し、「どのような生き物がいるかの調査はしたが、風車と『獣害』との関連を示す科学的知見はないので、そのことに関する調査・予測はしていない。」旨の回答をしました。

 「科学的知見」がないことは「調査」をしない理由にはなりません。逆に「科学的知見」がないのであればこそ、きちんと調べて、予測を立てるべきです。こういった調査をする手間や時間、そしてお金を惜しんだのでしょう。津市長の意見をここでも軽んじています。

 

 グリーンパワーインベストメントは、回答の中でこうも述べました。「鹿などを撃つハンターの数が減っていることが、集落に動物が出てくるようになった原因と考えている。」と。

 

 「科学的知見」がないと言ったはずなのに、どのような「科学的知見」に基づいてこのようなことを言うのでしょう。確かに農林水産省のHPには、イノシシやシカの生息数が80年代の5倍以上に増えていること、一方で狩猟免許の所持者数は、1975年には51万8000人だったが、1990年には29万人、2014年は19万4000人と急減していること……などが紹介されています。それを「理由」にしているのかもしれませんが、一方でこんな数字もあります。1990年と2010年の駆除数を比べると、シカは4万2000頭から41万5500頭と10倍以上に激増。イノシシも7万200頭から39万500頭へと5倍以上も捕獲しているのです。ハンターの数と野生動物の駆除数は必ずしも相関していないのです。

 

 また、ハンターが減ったと言っても、環境省の資料によると、現在のハンターの数は1950年代のものと同じくらいです。グリーンパワーインベストメントの言い分が正しければ、1950年代も今と同じくらい獣害が頻発していたことになりますが、そうではありませんでした。

 

 都合の良い数字を挙げて、さも自分たちには非がないように装う…。グリーンパワーインベストメントの常とう手段ですね。