絶滅危惧種ヤイロチョウ

 今回の環境影響評価調査書で、ヤイロチョウの「対象事業実施区域内での営巣の可能性がある」と指摘されています。ヤイロチョウは「国内希少野生動植物種」に指定されており、環境省レッドリストにおいて絶滅危惧種IB類(EN)にも指定されています。国内でヤイロチョウの生息が確認されているところは、どこも手厚く保護をしています。

 

 ところが、環境影響評価調査書では「工事中及び供用時の影響について既存知見が少なく不確実性が残るため事後調査を実施します。」と書かれています。「事後調査」が何を意味するのかは不明ですが、ふつうに読み解けば、工事は行うという意味にとれます。事業者のスケジュールでは2023年10月から工事を開始するといっているのですから。

 

 ヤイロチョウは希少な上に、警戒心がとても強いため「既存知見」が少ないのだと思われます。渡り鳥でもあります。ですから、数年をかけて慎重に調査を行うべきです。その間は、一切、開発行為を行わせるべきではありません。工事をして、「事後調査」をした結果、ヤイロチョウがいなくなりました…では、まさに「環境破壊」以外の何物でもありません。

 

 環境省三重県、津市にただちに調査を始め、事業を一旦、凍結するよう意見を送りました。また、生息が確認されれば一帯を「保護区」に指定し、今後一切の開発行為を行わせず、豊かな自然を維持できるようにすべきです。