環境影響評価の「信頼性」

 住民説明会では、環境影響評価の準備書について説明がなされます。環境影響評価とは、風車を建てる工事によって、そして建てられた風車によって、周囲がどのような影響を受けるかを調査したもの…ということになっています。

 

 それを読むと、なんだか大丈夫じゃないかな…とも思えてきてしまうのですが、頭から信じてはいけません。その代表的な例を説明します。

 

 工事によって周辺の河川の水質がどのような影響を受けるか調査した項目では、1時間に188.9mmの雨が降った場合についても「予測」しています。1時間に188.9mmの雨というのは相当な量の雨です。2004年に台風21号が三重県宮川村を襲い、死者6名・行方不明者1名・全壊20戸・半壊17戸という大災害に見舞われた時でも、1時間の最大雨量は125mmでした。それの1.5倍もの雨が降ったという想定です。しかし、この調査では沈砂池に一度水が入り、その上澄み水が河川に流れ込むので、1時間当たり10mmの雨が降った時と水質はそんなに変わらないという予測です。沈砂池がそんなに大きいのかと思ったら、小さな小さなものです。中には、これだけの雨が降っても、「沢に達する前に浸透する」と予測されている場所も。

 

 素人が考えても、これがずいぶいい加減で杜撰な「予測」だと分かります。そして、これがどうやら「既存知見」のようなのです。この「調査」がいかに信用できないものかわかりますね。私たちが素人だと思って、そして1700ページもあればわからないだろうと思ってやったことだと思わざるを得ません。

 

 前述したヤイロチョウについてもそうです。「絶滅危惧種」だとは一言も書いていません。素人が見たら、「ふーん、そんな鳥がいるんだ…」くらいの認識にしかなりません。(事実、私もそう思っていました。)自分たちに都合が悪いことは、はっきりとは書かない。そこに「悪意」を感じるのは私だけではないのでは・・・。

 

 環境影響評価はこんなものです。決して第3者が公正に調査したものではないのです。事業者に都合の良いように書かれているのです。こんな環境影響評価に、こんな「悪意」のある事業者に、意見書を出して、みなさんの思いをぶつけましょう!

 

 意見書は難しいことを書かなくてもいいんです。もちろん、自分の専門的な知識を活かせる方や、自分で調べたことを書くのも大歓迎!でも、そういうことが書けなくても、自分の経ヶ峰への思いや、「風車は経ヶ峰にはいらない」という思いを書くだけでも十分な効果があります。数も大事なんです。ぜひ、反対の声を届けましょう。

 

 意見書は書面(何に書いてもいいですよ。)に、対象事業の名称(平木阿波ウインドファーム事業・平木阿波第2ウインドファーム事業と書きましょう。)、住所、氏名を書いて、津市役所環境部環境保全課や美里・安濃・芸濃の各支所ならびに伊賀市役所、大山田支所にある意見書箱に入れましょう。

 グリーンパワーインベストメント社に直接郵送しても大丈夫です。あて先は

〒107-0052  東京都港区赤坂1-11-44 赤坂インターシティ 9階 です。

 

 住民説明会でも「準備書」の内容を説明します。他の人の意見も参考にしてはどうでしょうか。日程は次の通りです。

  • 6月6日18時30分から 安濃中央総合公園体育館(定員150人)

 多くの方に参加してほしいと思っています。