経ヶ峰に生息する重要な種②

 重要な種だけが大事ではありません。生態系を形作っているのは、さまざまな種類の動物たちです。その一つが欠けても、生態系に何らかの影響を与えます。とはいえ、数が少なくなり、守らなければならない種もあります。今回の環境影響評価調査書に載っている、経ヶ峰で確認された重要な種を紹介します。

 

オオサンショウウオ

国指定の特別天然記念物、国際野生希少動植物種、絶滅危惧Ⅱ類。伊賀市の対象事業実施区域外で2個体が目視確認されています。オオサンショウウオはご存知の方が多いのではないでしょうか。

 

アカハライモリ

絶滅危惧種、絶滅危惧Ⅱ類。対象事業実施区域外の池や樹林内において63個体を確認。日本固有種です。

 

ニホンヒキガエル

絶滅危惧種、絶滅危惧Ⅱ類。対象事業実施区域外で18個体が確認。ニホンヒキガエルとアズマヒキガエルは成体でも同定確認が難しいそうです。同定できなかったものが、対象実施区域内で成体5個体、卵塊5を確認。対象事業実施区域外では、成体9固体、幼生6840個体、卵塊5を確認。

山頂山小屋付近で見つけたニホンヒキガエル

 アカハライモリニホンヒキガエルも子どもの頃から見慣れていましたが、いつの間にか絶滅危惧種になっていたんですね。見かけたらやさしく見守ってあげてください。

 

 これらの評価には「道路脇等の排水施設は、小動物類等が落下した際に這い出しが可能となるような設計を極力採用」すると書いてありますが、本当に「這い出しが可能」なのか?それはどんな設計なのか?極力ってどのくらい?と疑問が大いに残ります。

 

 また、湿地や河川に濁水が流入しないように「沈砂池や土砂流出防止柵を設置し」「濁水流入の防止を図る」とも書いてありますが、そもそもあり得ないような豪雨でも、沢に到達する前にしみこんでしまう…という、それこそあり得ないようないい加減な「机上の空論」を展開しています。本当に彼らの生息環境が守れるのか?不信・不安でいっぱいです。