6月6日住民説明会での質問③

 さらに質問を続けました。

 

 説明では、1時間当たり188.9mmの雨が想定されているが、これは相当な雨量だ。2004年に台風21号が三重県宮川村を襲い、死者6名・行方不明者1名・全壊20戸・半壊17戸という大災害に見舞われた時でも、1時間の最大雨量は125mmだった。それの1.5倍もの雨が降ったという想定だ。しかし、この調査では準備書の要約書に書かれた図から算定すると、深さは不明だが、断面が一辺およそ2.5m~3mの正方形の沈砂池に一度水が入り、その上澄み水が河川に流れ込むので、1時間当たり10mmの雨が降った時と水質はそんなに変わらないという予測だ。また場所によっては沢に達する前に浸透するとなっているが、これはありえない。科学者の論文であれば、このようなでたらめな数字がたとえ一か所でもあれば、その論文全体の信頼性が揺らぎ、論文は撤回となる。この「準備書」は撤回すべきではないのか。動植物への影響もあり、この予測は他の予測にも影響を与える。

 

 この調査をしている「三重県環境保全事業団」の調査はこのようにありえない数字を出して、さも「安全だ」「大丈夫だ」のように見せかけている。一方で、絶滅危惧種で、超希少種のヤイロチョウのことなど、風車建設に不利になるようなことは小さく書くのみで、特段触れもしない。先ほどの質問のように、県知事や津市長が「しなさい」と意見した調査を行ってもいない。こんないい加減な調査・評価は信用できない。また、以前、グリーンパワーインベストメントに「公開質問状」を送った時に、なぜか、調査を行う「三重県環境保全事業団」の職員がついてきて、アドバイスをしていた。これは癒着ではないか。

 

 この質問に対しては、「予測」を行う計算式にあてはめたものであると回答。つまり、単なる「机上の空論」に過ぎないことがわかりました。私たちは専門家ではありません。「予測」の数字は信頼できるものだと思ってしまいます。しかし、こんなにもいい加減な、根拠のない「計算」によって「安心」だと思い込まされていることが分かりました。

 

 「癒着」だという指摘については否定しましたが、なぜグリーンパワーインベストメントに対する「公開質問状」に対し環境保全事業団がアドバイスをするのかについては、当該職員がその場にいるにもかかわらず、回答しませんでした。

 

 私たち素人は、環境アセスの調査・評価を行う団体は、第三者で、公平かつ適正に調査・評価を行うものだと思ってしまいます。それが、むしろ風力発電所を造ろうとしている企業にアドバイスを送るとは…。実は調査・評価する側がリードをするとは…。これでは公正な調査・評価は行われるはずがありません。